第十話「思いやりの買い物」

クロウディアさんはイヴも、朝早くからドレの捜索をしていた。

今日は団員の女性も一緒に探してくれていた。

「一休みしよう」と団員に言うと足を止め、自販機で暖かい飲み物を買った。

ふと携帯を見ると、ニナから着信が入っていた。

クロウディアさんはニナへ電話をかけると、すぐに出て、

「クロウディアさん!ドレちゃんの今の居場所ではないんですけど、

さっき足取りに関して、有力な情報があったので伝えておきますね。」

と明るい声で言った。

「ニナさん、ありがとうございます!はい!どんな情報ですか!?」

と焦って聞き返すと、

ニナはクロウディアさんの隣の部屋のジェームスとマックスの部屋で

ご飯やトイレを使った形跡があり、使ったのは、

ドレじゃないかという仮説を話した。

クロウディアさんはそれを聞くと、胸を撫で下ろし、

「やっぱり誘拐じゃないのかもしれないですね!」

と少し嬉しそうに答えると、一呼吸置き、

「今、商店街から少し外れた路地を団員と手分けして探しているのですが、

道中、たくさんのドレのポスターを見つけました。

本当に心強くて、感動してしまいました。」と言うと涙が溢れそうになった。

ニナは「良かった!もうたくさん配ってあるんですね!」

と言って安心した様子で答えた。

クロウディアさんは、

「改めて、私とドレはたくさんの人に支えられてると感じました。早く見つけて、安心していただきたいです。頑張ります!」

と言うと、流しそうになった涙をグッと我慢し、強い気持ちに切り替えた。

そしてお互いに何かあったらすぐに連絡を取り合おうと話して、ニナとの電話を切った。

自分が電話をしている間も探し続けてくれている、団員の姿を見て、

「もう午後だからお昼を食べましょうか。」

と言い、ホテルへ戻ることにした。

団員とクロウディアさんは戻る間も道の隅々まで見ていたが、

ふと、マルフェットの街は落ちているゴミも少なく、

野良猫なども見ないことに気づき、団員と感心していた。

ホテルに向かってしばらく歩くと、

淡いピンクとホワイトのストライプの外装が、

珍しくも可愛らしいお店の前に出た。

「ラナンキュラス…。」

と店の名前を読むと、クロウディアさんはハッとして、

ニナに教えてもらった香水瓶のお店だと気がついた。

「ねえ、ここ少し寄っても良いかな?」

と団員に言うと、

「わー可愛いお店!いいですね!入りましょう!」

と団員も嬉しそうに入っていった。

クロウディアさんと団員はお店に入ると、

洗練されたおしゃれなインテリアに圧倒された。

壁紙にはラナンキュラスの絵が散りばめられ、

天井にはシンプルなシャンデリア、

家具は白とピンクで統一され、女子にはたまらない空間が広がっていた。

クロウディアさんがガラスケースの中の宝石のような香水瓶に、

ニナの持っていた香水瓶がないかと、探していると、

団員もキラキラ輝くクリスタル製の香水瓶に見入っていた。

「座長!やばい!ここ素敵すぎる!」

と団員が思わず声に出して言うと、クロウディアさんも頷いた。

クロウディアさんは目当てのものが見つからず、店員を探すと、

奥に綺麗な女性と小ぶりのフレンチブルドッグの可愛らしい子が目に入った。

くりくりの大きなお目目に白いまつ毛、

そしてくっきりとした二重にキュッとした口、

思わず「可愛い!」と団員とクロウディアさんが駆け寄ると、

女性はにっこり微笑み、

「いらっしゃいませ。モモ嬉しいね。」

と言うと、モモちゃんを抱っこして近づいて来てくれた。

大きな瞳でじっとこちらを見つめる様子に、

団員もクロウディアさんも口元が緩み、思わず

「触っていいですか?」と聞くと女性は頷き、

「はい!モモと言います。よろしくです!」

と言って微笑んだ。

二人はうるうるの大きな瞳を見ながら、

モモちゃんを触ると、団員がクロウディアさんに

「座長!私この街にきてから、

フレンチブルドッグが好きになっちゃいました!」

といって目を瞑って気持ちよさそうにしている

モモちゃんを、優しく撫で続けた。

「わかるよ!なんか仕草やコミュニケーションも人間っぽいというか、

フォルムも含めて雰囲気あるよね。」

と言うと、モモちゃんは体重を預けて撫でられている。

クロウディアさんはモモちゃんを撫でながら、女性に視線を移すと、

「あの、私、こちらのご友人と聞いているのですが、ニナさんの持ってる香水に惹かれて、ここを探していたんです。

ピンク色の瓶の上に薔薇の彫刻のキャップがあって、

香りが本物の薔薇みたいな香水で…。同じものはありますか?」

と言うと、

「はい!あの、クロウディアさんですよね!ニナさんから聞いています!

私サマーと言います。

ニナさんには良くしてもらっていて、いつもお世話になっているんです。

実はもう、こちらに用意してあるんです!」

と言うと、ローズの香水瓶を取り置き用の棚から出した。

クロウディアさんはびっくりしながら理解出来ずに、

「ニナさん私がいつ来るかも分かっていないのに、

連絡してくれてたんですか!?」

と感激して言うと、サマーは頷き、

「クリスマスらしいことをって仰っていて、お取り置きして、

もうお代も頂いてるので、お待ちしていました。」

とにっこり笑った。

クロウディアさんは突然のサプライズに涙目になると、

「そんなそんな…さっき電話した時は何も言ってなかったのに…。」

と言うと、堪えきれずポロッと涙を零した。

「ごめんなさい。ニナさんの優しさと街の皆さんの優しさが嬉しくて…。」

と言うと、団員もつられて涙した。

サマーも目を潤ませながら感動した様子で梱包していると、

 「こんにちは!ポスターを持ってきました!」

と爽やかにカーターが入ってきた。

クロウディアさんは突然やってきた青年に、驚きながらも目で追っていると、

「これ、目立つところに貼ってくださいね!」

とドレのポスターを目の前でサマーに渡した。

「あなたが配ってくださってるんですね!」

とクロウディアさんは感激して、カーターに思わず声をかけると、

びっくりした様子でカーターは固まりながらこちらを見た。

「えっとあの、えっと?」

とカーターがしどろもどろになっていると、

「突然すみません!私、ドレの飼い主です。

ドレを探してる間もたくさんポスターを見て、本当に心強くて…。

配るの大変ですよね。ありがとうございます…。」

と言うと、カーターはやっと状況を理解し、笑顔になった。

「飼い主さんでしたか!そう言っていただけて良かったです!

僕は配るだけですが、探すのはもっと大変ですよね。

早く見つけてあげたいのですが…。こういう時何を言って良いか分からず、

ごめんなさい。」

と言うと目線を落とした。

クロウディアさんはカーターの真っ直ぐな答えに、誠実な人柄を感じ、にっこり笑った。

「街の皆さんがこんなに優しいと、

本当に涙もろくなってしまって…ダメですね。

あの、お一人で配っていると聞きました。

このポスターにどんなに助けられていることか…。本当に感謝しています。」

と言うと、カーターは照れた表情をした。

サマーは早速ポスターを一番目立つところに貼ると、

クロウディアさんは胸に手を当てて、

「ありがとうございます」と言った。

サマーはクロウディアさんに振り返ると、

「私も夫もモモと散歩する時、探しているんです。

モモは猫の気配に敏感なので、

もしかしたら見つけてくれるかもと期待して歩いているのですが、

まだ見つけられなくて…。ごめんなさい。

何かわかったらすぐに連絡しますね!」

と言ってポスターをもう一度見ると、振り返り香水の入った袋を渡した。

クロウディアさんは、感謝でいっぱいの顔で受け取った。

カーターがクロウディアさんに、

「早く見つかりますように。僕も頑張ります!」

と言って手を振り、爽やかに出て行くと、

すれ違いで可愛らしい女の子が入ってきた。

「こんにちは!小瓶はありますか!?」

と言うとちょこちょこと店内を見て歩いている。サマーはエマを見ると、

「こんにちは!小瓶というのは泉用の小瓶かな?」と声をかけると、エマは頷いた。

サマーが小瓶のケースに案内しようとエマに話しかけようとすると、エマはこちらを見て、みるみる表情が明るくなり、

「あ!ルーシー!!」

と言ってモモちゃんに駆け寄った。

両親が続いてお店に入ると、微笑みながらも申し訳なさそうに、

「エマ、触って良いか聞いてからだよ。」

と言うと、エマはモモちゃんのそばまで来てしゃがむと、サマーを見て、

「触っていーい?」

と聞いた。モモちゃんは少しエマに近づき、

クンクンと匂いを嗅ぐとちょこんと座り、

サマーを上目遣いで見た。サマーは優しい笑顔になると、

「もちろん!モモも喜びます!撫でて欲しそうにしてる!」

といい、エマは満面の笑みで、モモちゃんを優しく撫でた。

「柔らかーい!良い匂い!」

とモモちゃんを触りながら言うと、

「良い匂いする?嬉しいな!

ワンちゃんも人間も良い香りって思うシャンプーを使ってるんだよ。」

とサマーが言うと、クロウディアさんがそれを聞いて、

「あの、横からすみません。それはここで売っている商品ですか?」

と質問すると、サマーはペット用の商品の棚に案内した。

「全てオリジナルで作っていて、ここに並べています。モモが使っているのはこれで、

この付属の容器にお水と一緒にシャンプーを入れて、

振って泡立てて使います。」と言うと、手で指し示した先には、

泡立てた見本も置いてあった。

「すごい!こんなきめ細かい泡なんですね!」

と感動するクロウディアさんに、

「舐めても安全に作られているので、安心なのです。」

とサマーが答えると、団員はキラキラした目になり、

「座長!私これプレゼントしますよ!」

と言って、数種類を手に取った。

「ええ!自分で買うわ!そんな気を遣わないで!」

とクロウディアさんが言うと、

「座長、ドレが帰ってきた時のために、シャンプーをって思ったんですよね?

人に貰ったものは出番が早く来るといいますから、

私がゲンを担いでプレゼントします!」

と言って、シャンプーやトリートメントをかごに入れ始めた。

「そんな…。そうなの…?ありがとう…。私こんなに良くしてもらって、

大丈夫かな…。悪いこと起きないかしら…。」

と言うと、団員はかごをサマーに渡すと、

「今一番悪いこと、悲しいことがが起きてるからこそ、

こう言うのが大事なんですよ!」

と言ってにっこり笑った。

「うう…。ありがとう。そんなこと言われると泣いちゃうよ。私最近ずっと泣いてばっかりだ…。」

と言うと、エマがモモちゃんを触りながら、クロウディアさんを見て、

「お姉さん、泣いてるの?どこか痛いの?」

と話しかけた。

母親はすぐに駆け寄り、

「すみません!エマったら…。」

と言ったが、クロウディアさんはにっこり笑うと、

天使のような眼差しで見てくるエマの前にしゃがみ、

「心が痛い…のかな。大好きな猫ちゃんが居なくなっちゃって、

会いたくて泣いちゃったんだ。それとみんなが優しいから、

嬉しくてまた泣いちゃったんだ。」

とゆっくり言うと、エマは頷き、

「私もルーシーが居なくなって泣いちゃった。

会えないのは悲しい。寂しいね。エマも一緒!」

と言ってモモちゃんをギュッと抱きしめた。

クロウディアさんはにっこり笑うと、

「ルーシーちゃんって言うんだね。私の猫ちゃんはドレって言うのよ。」

と言うと、エマは目を見開くと立ち上がり、

「このポスターの子?」

と指をさして言うと、クロウディアさんを見た。

「うん、その子がドレだよ。今探してるの。」

とクロウディアさんもポスターを見て言うと、

「良かった!お姉さんが会いたい子はお空に行ってないんだね!

大丈夫だよ!だって会いに行けるもの!」

とエマは自信たっぷりに言った。

クロウディアさんはこの一言に圧倒され、しばらく声が出ないでいると、

団員がハッとした表情になり、

「そうだね!そうだよ!生きてれば会えるもんね!」

と頷いた。

クロウディアさんはエマを見つめると、

「そうね!生きていたら会える。エマちゃんていうのかな?ありがとう。

本当にその通り。

ここに来ている殆どの人は、最愛の子を亡くしてる人たち、

私は今探せるだけでも幸せだね!」

と言ってエマの肩をそっと撫でた。

「うん!会いに行けるなら会えるよ!ルーシーは今はお空で会いに行けないけど、待つんだ。帰ってこれるよ!絶対!諦めないもん!」

と笑顔で言い、にっこり笑って見守っていた母親の手を引っ張ると、

サマーと話している父親の元に駆け寄った。

クロウディアさんは団員と目を合わせて頷くと、

団員は買ったシャンプーの入った袋を渡した。

クロウディアさんは団員をギュッとハグをすると、

「ありがとう!これでドレを洗う!絶対。美味しいもの食べよう。ランチは私が奢る!」

と言って笑顔になった。クロウディアさんはサマーとエマたちに挨拶をし、

晴々とした表情で出ていった。

両親はサマーに、ジャンポールのぬいぐるみについていた、

ガラス製の小瓶と同じものを何個か購入したいと言うと、

サマーは引き出しを開け、

一個一個緩衝材を外しながら見せていた。

「夫がガラス職人なので、一品一品手作りになっています。

全て色味が違うので、

上のキャップのバラがピンクのものだと…こちら、

他に赤、青、紫、白、ベージュや緑、黄色、微妙な色合いの違いで

たくさんあります。」

と言うと、エマはサマーを覗き込み、

「グレーは!?」

と大きな声でいった。

サマーは青とベージュの箱を見ると、

「青っぽいグレーと、ベージュっぽいグレーならこれかな?」

と言ってエマに見せると、

「マックスの猫ちゃんは青の目だったから、青!」

と言ってにこにこしながら受け取った。

 マックスとジェームスはジャンポールトイショップを出ると、

早速『寅印和菓子店』に来ていた。

ここでは羊羹とお団子が人気で、日本人店主のミユキが、

日本にしかない素材で作った季節に合わせたお団子や、

使い方のレシピも付いている醤油や麹などの調味料も置いてあり、

マルフェットでも人気のスイーツ店だ。

鶯色の暖簾を通ると、

中には日本旅行にでも来たかのような雅な空間が広がっていた。

中央には日本伝統の楽器である太鼓のような形をしたレジカウンターと、

その後ろに、メニューが日本語で書かれた大きな扇子が飾ってあった。

木製のカウンターには漢字で『寅』の文字と、

その周りを筆でぐるっと丸を書いたようなロゴが掘られていて、

焼印を押したように黒く光っていた。

マックスは忍者や侍といったものをゲームで知っていたため、

日本の風情を感じる内装にワクワクしていた。

レジカウンターのすぐ横には台があり、

その台は畳が敷かれ、さらに紫の座布団が置かれていた。

マックスは座布団の上に手を折りたたみながら座っている猫を見ると、

「この猫ちゃん本物だよね?」

と言って覗き込んだ。

猫はこちらを見ると目を細め、じっとしている。

マックスは本物だと分かると、嬉しそうに頭を撫でた。

猫は嬉しそうに目を瞑ると頭をマックスの手に押しつけて甘えている。

「うわー可愛い!パパ!」

と呼ぶがジェームスは和三盆を探すのに必死になっている。

店内を見回し、日本の調味料が置いてある棚を見つけた。

「ワサンボン…お砂糖だとレシピには書いてあったけど、

漢字で書いてあると分からないな。」

と言いながら店内を歩き回っていた。

ポスターを持ち、店内に入ってくる女性がこちらに気づくと、

「あ、いらっしゃいませ。」とにこやかに挨拶をした。

ジェームスは女性に気づくと、

「ワサンボンと言うお砂糖を探しているのですが、どこにありますか?」

と聞くと、先程見ていた棚に案内された。

「高級特選砂糖・和三盆」

と漢字で書かれた袋を出すと、

女性はジェームスに手渡した。

「これがワサンボン、おもちゃ屋さんのニナさんに聞いて買いにきたんです。」

と女性に言うと、

「ニナ!そうですか!ニナは私の友人なんですよ!私はミユキです。ようこそ寅印和菓子店へ。」

と言うと軽く頭を下げてお辞儀をした。

ジェームスも真似をして頭を下げると、

「ジェームスです。あそこにいるのは息子のマックスです。」と言って、レジカウンターの方を指さした。

ミユキはマックスにも頭を少し下げると、マックスは手を振った。

「ジェームスさん、よろしくお願いします!あの、お砂糖用の密封容器はお持ちですか?」

と聞くと、ジェームスはちょっと考えると、

「引き出し式の砂糖入れならありますが…。」

と答えた。

ミユキは棚からキャニスターを出すと、

「このお砂糖は出来れば、このような密閉容器に入れて保管するんです。

和三盆は砂糖の中でも繊細で、

空気が入ると固まったり劣化しますので、持っていないなら、

こちらをおつけしますよ。」

と言ってにっこり笑った。

ジェームスはびっくりした顔をして、

「いやいやキャニスターも買いますよ!」と言うと、

ミユキはレジカウンターに向かいながら首を横に振り、

「ニナの紹介ですし、クリスマスイヴですし、

息子さんも寅次郎と遊んでくれてるので。」

と言ってマックスを見て微笑んだ。

マックスは恥ずかしそうにしていると、

ジェームスは恐縮しながらも喜んだ。

「ありがとうございます!マックスもう一個これと同じのを、

あそこから持ってきてくれる?」

と言うと、マックスはジェームスの持つ袋をじっと見つめ、

棚の方に行き、すぐ取ると戻ってきた。

「キャニスター代には足らないと思いますが2つ買わせていただきます。

どのくらい持ちますか?」

と聞くと、ミユキは少し考えると、

「砂糖は密閉容器でちゃんと保存していれば、

ずっと食べられるので賞味期限とか表示がいらないんです。

なので、固まったり劣化してなければ大丈夫だと思います。」

と答えると、ジェームスは安心した表情をして、頷いた。

「実は妻は日本料理に凝っていて、

懐かしい味がここにはたくさんありそうです。また料理を勉強して買いに来たいです。」

というと、ミユキはにっこり笑い、

「是非是非!寅次郎とお待ちしています。」

と言って会計を始めた。

マックスは店内を見ると、イートインスペースがあることに気づいた。

そこでは数人がお団子を食べていた。

「パパ、お団子っていうの食べて行こうよ。」

と料金を支払おうとしているジェームスに言うと、

「まだ間に合いますか?」

とジェームスはミユキに聞いた。

ミユキはメニューを出すと、

「はい!まだ大丈夫ですよ。お団子ですと、

おすすめはこの『お団子セットいろは』というもので、

色々な味が楽しめるセットです。」

と説明すると、ジェームスはメニューを見て、

「じゃあそれでお願いします!」

と言ってお団子のセットも注文した。

マックスはその様子を確認し、椅子に座ると、

向かいの席に可愛い姿がちょこんと座ってこっちを見ているのに気づいた。

「さっきの猫ちゃん!!」

と嬉しそうにテーブル越しに頭を撫でると、

ジェームスが来ても、そこに座り続けた。

ミユキがお団子を持ってきて、その様子に気がつくと、

「やだ寅ちゃん、家で私にやってるようなことしてる!」

とクスクス笑った。ジェームスとマックスは串に苦戦しながらも、

お団子を頬張ると、

「美味しい!」と二人とも絶賛し、

「ねえパパ、このきな粉ってやつ、ピスタチオに似てるね?」と言うと、

「確かに!このみたらしってやつもいけるな。」

などと向かいの席にいる寅ちゃんを見ながらお団子を楽しんだ。

マックスはお団子を食べ終わり、ジェームスと店を出ようとすると、

パステルカラーの丸くてお花にも見える何か小さいものがたくさん入った、

透明の入れ物が目に入った。

マックスはそれを手に取ると、

「…コンペイトウ?これ食べれるみたい!!」

とジェームスに言った。

ジェームスはエマたちへのお土産にしようと提案すると、

いくつか金平糖を買い、寅ちゃんとミユキに挨拶すると、お店を後にした。